「そろばんって今さら必要?電卓もスマホもあるのに」こんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
たしかに計算だけなら機械のほうが速いかもしれません。しかし、そろばんの本当の価値は「計算ができるようになること」だけにとどまりません。実はそろばんは脳のトレーニングツールとしても注目されており、集中力、記憶力、忍耐力など、学力全体の底上げにつながる効果が報告されています。
この記事では、そろばんの効果と始めるべき時期を、デメリットも含めて偏りなくお伝えします。お子さんの習い事選びの参考にしてみてください。
そろばんの効果:計算力だけじゃない7つのメリット
効果1:暗算力がつく
最もわかりやすい効果がこれです。そろばんを続けると、頭の中にそろばんの珠(たま)をイメージして計算する「珠算式暗算」ができるようになります。
電卓よりも速く計算できるようになる子も珍しくなく、買い物の計算やテストの計算問題など、日常のあらゆる場面で役立つスキルです。
効果2:集中力が鍛えられる
そろばんは一つのミスで計算がすべて狂うシビアな世界です。珠を弾くひとつひとつの動作に集中する必要があるため、自然と集中力が鍛えられます。
検定試験では制限時間内に大量の計算をこなす必要があるため、「短時間で集中する力」が身につくのも大きなメリットです。
効果3:右脳が活性化される
珠算式暗算では、頭の中でそろばんの珠をイメージして動かします。この「映像をイメージする」作業は右脳の活動にあたります。
一般的な計算は左脳で処理されますが、そろばん経験者は右脳も使って計算するという研究結果があります。右脳が活性化されることで、想像力や空間認識能力の向上にもつながるとされています。

効果4:記憶力が向上する
暗算をするためには、途中経過の数字を記憶しておく必要があります。このワーキングメモリ(短期記憶)のトレーニングが、記憶力全般の向上につながります。
効果5:忍耐力と粘り強さが身につく
そろばんの上達には地道な練習の積み重ねが欠かせません。検定試験に落ちて悔しい思いをしたり、難しい級に何度も挑戦したり…。「コツコツ努力する習慣」が自然と身についていきます。
効果6:数字への苦手意識がなくなる
そろばんで数字に毎日触れていると、算数の授業に対する抵抗感が大幅に軽減されます。「計算は得意!」という自信があると、算数全体へのモチベーションも上がります。
効果7:検定試験で達成感を味わえる
珠算検定は10級から始まって、段位まであります。級が上がるごとにもらえる賞状は、お子さんにとって目に見える「成長の証」です。この達成感が次の目標へのモチベーションになります。
参考:全国珠算教育連盟
そろばんはいつから始めるのがベスト?
おすすめは年長〜小学2年生
多くのそろばん教室が5〜6歳(年長)から受け入れています。この時期がベストと言われる理由は以下のとおりです。
- 数字の読み書きができるようになっている
- 指先の器用さが発達している
- 椅子に座って作業できる集中力がある
- 学校の算数が始まる前に数の感覚を養える
小学1〜2年生で始めても全然遅くありません。むしろ、学校で足し算・引き算を習い始めるタイミングと重なると、相乗効果が期待できます。
早すぎるスタートのリスク
3〜4歳で始めさせたいという声もありますが、この年齢ではまだ早い場合が多いです。
数の概念がしっかり身についていない段階でそろばんを始めると、意味を理解しないまま「作業」になってしまう可能性があります。また、椅子に座って集中する力がまだ十分でないため、そろばんが嫌いになってしまうリスクもあります。

小学3年生以降でも大丈夫?
始めるのが遅いと効果がないかというと、決してそんなことはありません。小学3〜4年生から始めて有段者になる子も大勢います。
ただし、低学年で始めた子と比べると上達速度に差が出ることはあります。早く始めた子のほうが「珠算式暗算」が身につきやすい傾向はあるようです。
そろばんのデメリット
メリットばかり並べるのはフェアではありませんので、デメリットについても触れておきます。
デメリット1:筆算が苦手になることがある
そろばん式の暗算に慣れると、学校で習う筆算のやり方に違和感を覚えるケースがあります。特に、そろばんでは上の位から計算しますが、筆算は下の位から計算するので、混乱する子もいます。
ただし、これは一時的なもので、両方のやり方を理解すれば問題なく使い分けられるようになります。
デメリット2:地味な練習の繰り返し
そろばんの練習は、ひたすら計算問題を解く地道な作業の繰り返しです。ゲーム性のある習い事と比べると「つまらない」と感じる子もいます。
お子さんの性格によっては、コツコツ型の活動が合わない場合もありますので、体験教室で相性を確認しておくことが大切です。
デメリット3:通学の負担
そろばん教室は週2〜3回通うのが一般的です。他の習い事との両立が難しくなったり、送迎の負担が保護者にかかることもデメリットのひとつです。
最近はオンラインのそろばん教室も増えていますので、通学が難しい場合はそちらも検討してみてください。
参考:日本珠算連盟
そろばんが向いているかどうかは、実際にやってみないとわかりません。多くの教室が無料体験を実施していますので、お子さんの反応を見てから入会を決めるのがおすすめです。
そろばんが向いている子・向いていない子
向いている子
- 数字やパズルが好きな子
- コツコツ努力できるタイプの子
- 「もっと上手くなりたい!」と負けず嫌いな子
- 検定試験のような目標があるとモチベーションが上がる子
- じっと座って作業するのが苦にならない子
向いていない子
- 体を動かすのが好きで、じっとしているのが苦手な子
- 繰り返し練習を「つまらない」と感じてしまう子
- すぐに結果が出ないと飽きてしまう子
ただし、「向いていない」と思っても体験教室に行ってみたら意外とハマった、というケースも少なくありません。まずは体験してみるのが一番です。
そろばん教室の選び方
チェックポイント1:先生との相性
そろばんは個別指導の要素が強い習い事です。先生とお子さんの相性が最も重要なポイントといえます。体験教室で先生の教え方、声のかけ方、雰囲気をチェックしましょう。
チェックポイント2:教室の雰囲気
生徒同士がピリピリした空気の教室もあれば、和やかな雰囲気の教室もあります。お子さんの性格に合った環境を選んでください。
チェックポイント3:通いやすさ
週2〜3回通うことを考えると、自宅や学校から近い教室を選ぶのが現実的です。距離が遠いと続けるのが億劫になりがちです。
チェックポイント4:検定への取り組み方
検定をどんどん目指す教室と、マイペースで進める教室があります。お子さんの目標や性格に合わせて選びましょう。
チェックポイント5:月謝の相場
そろばん教室の月謝は4,000〜8,000円程度が一般的です。週の回数によって変わります。他の習い事と比べると比較的リーズナブルなのも魅力です。
参考:ベネッセ 子育て情報

よくある質問Q&Aコーナー
Q. そろばんとプログラミング、どちらを習わせるべき?
目的が異なりますので、優劣をつけるものではありません。そろばんは計算力・集中力・忍耐力の養成に、プログラミングは論理的思考力・創造力の養成に向いています。両方を並行して習っている子もいます。
Q. 家でもそろばんの練習はさせるべき?
教室で出される宿題をこなす程度で十分です。無理に家庭学習を増やすと嫌いになる原因にもなりますので、教室の先生のアドバイスに従うのがよいでしょう。
Q. そろばんは何級まで取ればいい?
一般的に3級以上を取得すると「珠算式暗算」が実用レベルで身につくとされています。ただし、お子さんの意欲がある限り続けるのがベストです。
Q. オンラインそろばん教室は効果ある?
対面と比べて若干のやりにくさはありますが、しっかりした指導があれば十分効果は得られます。通学が難しい場合の選択肢として検討する価値はあります。
Q. そろばんをやめるタイミングは?
お子さんが「もう十分」と感じたとき、他の活動とのバランスが取れなくなったときが一つの目安です。一般的には中学入学前後でやめるケースが多いですが、段位を目指して続ける子もいます。
年長〜小学2年生がベストタイミング。まずは近くの教室で無料体験を受けてみましょう。お子さんが「楽しい!」と感じるかどうかが何より大切です。
まとめ
そろばんは、計算力はもちろん、集中力・記憶力・忍耐力・右脳の活性化など、多方面にわたる効果が期待できる習い事です。
始めるベストなタイミングは年長〜小学2年生ですが、それ以降でも十分に効果はあります。大切なのはお子さんが「楽しい」と感じられるかどうかです。
まずは近くのそろばん教室の体験に足を運んでみてください。珠を弾く「パチパチ」という音と独特のリズムに、お子さんがハマるかもしれません。
※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

