「子供にプログラミングを習わせたいけど、何から始めればいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
小学校でプログラミング教育が必修化されてから、関心を持つ保護者が急増しています。ただ、プログラミング教室は月額1万円以上するところも多く、いきなりお金をかけるのはちょっと…という気持ちもありますよね。
そこでおすすめなのが「Scratch(スクラッチ)」です。MIT(マサチューセッツ工科大学)が開発した無料のプログラミング学習ツールで、世界中の子供たちに使われています。この記事では、Scratchの始め方を親子でわかるように徹底解説していきます。
Scratchってどんなもの?
ブロックを組み合わせるだけ
Scratchの最大の特徴は、難しいプログラミング言語を一切使わないところです。カラフルなブロックをドラッグ&ドロップで組み合わせるだけで、プログラムが作れます。
たとえば「10歩動かす」「右に15度回す」「ニャーと言う」みたいなブロックを、パズルのようにつなげていく感じです。日本語で書かれているので、ひらがなが読めれば小学1年生から使えます。
完全無料で使える
Scratchは完全無料。ダウンロードも不要で、ブラウザ上で動作します。パソコンがあればすぐに始められます(タブレットでもScratchアプリで利用可能)。
対象年齢
公式には8〜16歳向けとされていますが、保護者のサポートがあれば5〜6歳から取り組んでいるお子さんも多くいます。
ちなみに、もっと小さいお子さん向けには「ScratchJr(スクラッチジュニア)」というアプリもあります。5〜7歳向けに作られていて、よりシンプルな操作でプログラミングの基礎概念を学べます。
参考:Scratch公式サイト

Scratchを始める手順
ステップ1:アカウントを作る
まずScratchの公式サイト(scratch.mit.edu)にアクセスして、「Scratchに参加しよう」からアカウントを作成します。
- ユーザー名を決める(本名は使わないこと)
- パスワードを設定する
- 居住国を選択
- 生年月を入力
- メールアドレスを入力(保護者のアドレスでOK)
アカウントなしでもプログラミングは体験できますが、作品を保存・共有するにはアカウントが必要です。作ったのに保存できない…という事態を防ぐため、最初にアカウントを作っておきましょう。
ステップ2:画面の見方を知る
Scratchの画面は大きく3つのエリアに分かれています。
- ブロックパレット(左側):使えるブロックが並んでいる場所
- スクリプトエリア(中央):ブロックを組み立てる作業スペース
- ステージ(右上):プログラムの実行結果が表示される場所
最初は猫のキャラクター(スプライト)がステージにいます。この猫をプログラムで動かすのが基本です。
ステップ3:最初の一歩「猫を動かしてみよう」
まずは超簡単なプログラムからやってみましょう。
- ブロックパレットの「イベント」カテゴリから「旗が押されたとき」ブロックをスクリプトエリアにドラッグ
- 「動き」カテゴリから「10歩動かす」ブロックを下にくっつける
- ステージ上の緑の旗をクリック!
猫がちょっと右に動いたはずです。これだけで立派なプログラミング体験になっています。子供は「自分で何かを動かせた」という体験にすごく感動するものなので、お子さんと一緒に喜んであげてください。

最初に作るべき3つの作品
作品1:猫が走り回るアニメーション
「ずっと」ブロックの中に「10歩動かす」「もし端に着いたら、跳ね返る」を入れるだけで、猫が画面内を行ったり来たりするアニメーションが完成します。
「ずっと〜する」(ループ)という、プログラミングの基本概念を自然に学べます。
作品2:クリックすると音が鳴る楽器
背景を楽器の絵にして、いくつかのスプライトに「このスプライトが押されたとき」→「音を鳴らす」を設定。タップすると音が出る簡易楽器が作れます。
「イベント」と「条件分岐」の概念を楽しく学べるテーマです。
作品3:簡単な追いかけっこゲーム
キャラクターAをマウスで操作できるようにして、キャラクターBがAを追いかけるプログラムを作ります。Bに触れたらゲームオーバー。
ここまでできたら、プログラミングの基礎的な概念はほぼカバーしている状態です。あとはお子さんの創造力次第でいくらでも発展させられます。
Scratchで学べるプログラミングの概念
「遊んでいるだけでは?」と心配になるかもしれませんが、Scratchではプログラミングの重要な概念がしっかり学べます。
- 順次処理:ブロックを上から順に実行する
- 繰り返し(ループ):同じ処理を何度も実行する
- 条件分岐:「もし〜なら」で処理を分ける
- 変数:スコアやタイマーなどの数値を記憶する
- イベント:「クリックされたとき」など、きっかけで処理を開始する
- 並列処理:複数のスプライトが同時に動く
これらはPythonやJavaScriptなど、本格的なプログラミング言語にも共通する概念です。Scratchで身につけた「考え方」は、将来どんな言語を学ぶときにも活きてきます。
つまずきやすいポイントと対処法
「何を作ればいいかわからない」
自由すぎると逆に何もできない、というパターンはよくあります。そんなときはScratchの「みる」ページで他の人の作品を見るのがおすすめです。
「中を見る」ボタンで他の人のプログラムをのぞけるので、「これ面白い!同じの作ってみたい!」という動機につながります。リミックス(他の作品をアレンジすること)も公式に推奨されています。
「思い通りに動かない」
プログラムがうまく動かないときこそ、最大の学びのチャンスです。「なぜ動かないんだろう?」と原因を探る過程で、論理的思考力が鍛えられます。
親がすぐに答えを教えてしまうと子供の学びが減ってしまうので、「どのブロックが怪しいかな?」「ひとつずつ試してみようか」とヒントを出すくらいに留めましょう。
「飽きてきた」
ずっと一人で取り組んでいると飽きることもあります。そんなときは以下を試してみてください。
- 友達と作品を見せ合う:共有機能で作品をシェア
- Scratchコミュニティに参加:世界中のユーザーからコメントやスターがもらえる
- コンテストに挑戦:Scratchのコンテストやプログラミングコンテストに応募
Scratchコミュニティで作品を公開する場合、個人情報(名前・学校名・住所など)が含まれていないか確認しましょう。ユーザー名にも本名は使わないようにしてください。
親のサポートのコツ
一緒に楽しむ
「やっておきなさい」と放置するのではなく、親も一緒にScratchを触ってみてください。大人が「面白い!」と楽しんでいる姿を見ると、子供のモチベーションは驚くほど上がります。
プログラミングの知識は不要
「自分はプログラミングわからないし…」と尻込みする必要はまったくありません。Scratchはプログラミング未経験の大人でも直感的に使えるように設計されています。お子さんと一緒に学ぶつもりで大丈夫です。
作品を認めてあげる
お子さんが作った作品は、クオリティに関係なく「すごいね!自分で作ったんだ!」と認めてあげてください。猫がちょっと動くだけのプログラムでも、お子さんにとっては大きな一歩です。

Scratchに慣れてきたら、次のステップも視野に入れてみましょう。
- micro:bit連携:Scratchからmicro:bitを制御して、実際のLEDを光らせたりモーターを動かしたり
- Python(パイソン):テキストベースのプログラミング言語へステップアップ
- Scratchでの本格的なゲーム制作:RPGやシューティングゲームなど
- プログラミング教室:独学に限界を感じたら、体系的に学べる教室も選択肢
Q&Aコーナー
Q. Scratchは何年生くらいから始めるのがいいですか?
公式には8歳(小学2〜3年生)からとされています。ただし、親のサポートがあれば5〜6歳でも十分楽しめます。無理なく取り組めるかどうか、お子さんの様子を見ながら判断してください。
Q. Scratchで作った作品は公開できますか?
はい、アカウントを作成すればScratchコミュニティに作品を公開できます。世界中のユーザーから「いいね」やコメントをもらえるので、モチベーションアップにつながります。
Q. iPadでもScratchは使えますか?
はい、Scratchの公式アプリがiPadに対応しています。ブラウザ版と同じ機能が使えるので、パソコンがない家庭でも始められます。
Q. Scratchの次にどんな言語を学ぶべきですか?
Pythonがおすすめです。文法がシンプルで読みやすく、Scratchからの移行先として最も人気のある言語です。中学生以上ならProgateやpaizaラーニングで無料で学べます。
まとめ
Scratchは無料で、簡単で、楽しい。子供のプログラミングデビューにこれ以上ないツールです。
難しく考えず、まずは親子で「猫を動かしてみる」ところから始めてみてください。「あ、動いた!」の感動が、お子さんのプログラミング人生の第一歩になります。
プログラミングスキルはもはや特別なものではなく「新しい読み書きそろばん」。楽しみながら身につけていきましょう。
※この記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

